作曲家と詩人

オペラ『ニホンザル・スキトオリメ』の原作は、詩人・児童文学者・翻訳者・大学教授(英米文学)として幅広く活躍した木島始(きじま・はじめ、1928~2004)による同名の《大人のための童話》です。木島の言葉と詩は、非常に多くの音楽家にインスピレーションを与えました。「自分が共感せずにはいられない」ことば(詩)を「音楽と出会わせたい」という強い衝動をもつ作曲家である間宮芳生は、「合唱のためのコンポジション第16番(草の葉には)」など、たびたび木島の詩に作曲しました。

木島始のプロフィール はこちら

 

『ニホンザル・スキトオリメ』のオペラ台本は、間宮の要請に応じて原作者・木島自身が書き下ろしたものです。この二人の深い信頼関係にもとづく共同作業は、数々の名作オペラを生んだR.シュトラウスとホフマンスタール、モーツァルトとダ・ポンテ、ヴェルディとピアーヴェなどの組み合わせを彷彿とさせます。

作曲家と詩人~共同の仕事 はこちら

 

初演後、長い時を経てなお、間宮も木島もこのオペラにたびたび言及しており、作曲家にとっても詩人にとっても特に重要な作品であることがうかがわれます。

作曲家と詩人~生涯を貫くテーマの交差 はこちら

木島始と「ニホンザル・スキトオリメ」 はこちら

間宮芳生(左)と木島始(右)(写真:1980年代撮影/間宮芳生所蔵)