写真:竹原伸治
間宮芳生
MAMIYA Michio
1929年6月29日北海道旭川市で、男ばかり4人兄弟の四男として誕生。父は高等女学校音楽教師。長兄が始めたピアノにならって、4歳の頃からピアノを弾きはじめ、6歳の頃、小さなピアノ曲2曲を作曲。父の転勤に伴い、父の郷里、青森に移り住む。青森女子師範附属小学校、県立青森中学校に在籍。ピアノも作曲も特に師につくことはなかったが、1947年中学5年卒業後、作曲家を志して上京。まったくの独学で1948年春、旧制東京音楽学校(現東京藝術大学音楽学部)作曲科に入学。作曲を池内友次郎、ピアノを田村宏に師事。1952年同校本科卒業。卒業直後に、日本の歌曲作品の演奏および民族音楽研究に優れた業績を挙げたアルト歌手、内田るり子氏のピアノ伴奏を務めたことを契機に、日本の民謡による独唱とピアノのための曲を作ろうと、日本の民謡を多数調べる。日本の民謡から多彩な形で見つかる、かけ声、ハヤシコトバの面白さに強くひかれ、「みずから新しいハヤシコトバを作る自由が誰にでもあると考えられる」と知り、ハヤシコトバを主役とした「合唱のためのコンポジション」のシリーズ(17作)、および24曲の独唱とピアノのための〈日本民謡集〉という代表作群が生まれる。より前衛的作風の弦楽四重奏曲、前衛ジャズから刺戟をうけた「ピアノ・ソナタ 第2番」などの室内楽作品から、管弦楽作品、映画・テレビ・アニメのための音楽(スタジオジブリ「火垂るの墓」、大河ドラマ「坂本龍馬」など)、さらにはオペラ「昔噺人買太郎兵衛」「ニホンザル・スキトオリメ」「鳴神」「夜長姫と耳男」「ポポイ」を含め、幅広いジャンルに200以上の作品がある。フィンランド、ハンガリー、カナダ、ソ連、中国、米国はじめ世界各国のフェスティバル等に招かれ、また作品が演奏されている。静岡音楽館AOIの開館から、芸術監督を10年間(1995~2005年)務めた。 最新作は、2019年1月27日に世界初演された「女王ざるの間奏曲」(オーケストラ・ニッポニカ委嘱)で、これは53年ぶりに再演されたオペラ「ニホンザル・スキトオリメ」を「前後2幕立てのように演奏する」という作曲家自身の意志にもとづき、前半と後半との間の時間に演奏されるために2018年に作曲されたものである。
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