オペラ『ニホンザル・スキトオリメ』のプロローグ、そしてエピローグの両方に登場する重要な役「男」は、俳優によって演じられることを指定されています。今回の上演の「男」役は、根本泰彦さん(テアトル・エコー所属/写真左)が演じてくださいます。根本さんは、喜劇王ニール・サイモン作の演劇「おかしな二人」(12/13(水)まで恵比寿・エコー劇場で上演中)に、二人の主役のひとりフィリックス役で連日ご出演中。先週の上演を観劇し、思い切り楽しませていただきました!舞台を通じて、根本さんの演じる役どころが私たち観客の心の中にありありと入ってきて、役作りの確かな姿勢が伝わる素晴らしい演技に引き込まれました。この日は「アフター・トーク」も開催され、根本さんは「フィリックス役は入団したときから演じたかった役で、今回演じることができてとても嬉しい」と語っていらっしゃいました。
さて、『ニホンザル・スキトオリメ』の「男」役は、「くすの木」(バスバリトン歌手の北川辰彦さん)が語るニホンザル王国の興亡の物語に耳を傾ける役どころ。「くすの木」が”歴史”(=”過去”)のメタファとすれば、その語りから何かを読み取ろうと耳を傾ける「男」は”現在”、あるいは”未来”のメタファなのかもしれません。作者・木島始は「男」の最後の台詞「いままでぜんぜん見えなかったものが見えてきた」に何を託したのか、そして作曲家・間宮芳生はその台詞にどのような音楽を付けているのか…1/27の公演にどうぞご期待ください!