全キャスト・合唱・オーケストラ合わせ 2日目

制作の現場から

1月27日(日)16時開演のオペラ「ニホンザル・スキトオリメ」(すみだトリフォニーホール)、公演までいよいよあと一週間! 1/20にカスケードホール(千代田区いきいきプラザ一番町)で行われたリハーサルの模様をお伝えします。(写真撮影:オーケストラ・ニッポニカ)

上の写真(↑)は、物語全体の語り部「くすの木」役の北川辰彦さん(バスバリトン)と、オーケストラの打楽器のルネッサンス風のアンサンブルの場面。ひときわ長身の北川さんの舞台姿もどうぞご期待ください!
 
 

リハーサル前、指揮・野平一郎と打ち合わせする「女王ザル」役 田崎尚美さん(ソプラノ)と「オトモザル」役 原田圭さん(バリトン)

 


「女王ザル」田崎尚美さんと「オトモザル」原田圭さんは第1、3、5、7景に必ず一緒にご登場。右の「ソノトオリメ」役 山下浩司さん(バスバリトン)は第1景のみのご登場、ファンの皆様どうかお見逃しなく!
 

このオペラでキャスト全員が揃って登場するのは、第1景「森の肖像画コンテスト」のみ。左から「男」役 根本泰彦さん(俳優)、「くすの木」北川辰彦さん、座っているのが「スキトオリメ」大槻孝志さん、立っているのが「女王ザル」田崎尚美さん、指揮の野平一郎の右は「オトモザル」原田圭さん、その右に(この写真には写っていませんが)「ソノトオリメ」山下浩司さん、という立ち位置でリハーサル

 


原田圭さん演ずる「オトモザル」役は、女王ザルには全身全霊で忠誠を尽くしご機嫌をとる一方、サルたち(合唱)には豹変して高圧的にふるまうなど、物語の状況に応じて実に表現豊か!右は「ソノトオリメ」山下浩司さん

 

右端「ソノトオリメ」(山下浩司さん)の発言に続いて「スキトオリメ」(大槻孝志さん、左から2人目)が答えると、「オトモザル」(原田圭さん、右から2人目)は「むー、なにをいう!こいつ」と狼狽して怒るのですが、「女王ザル」(田崎尚美さん)はスキトオリメの答えが気に入ります。左端は「くすの木」北川辰彦さん

 

 第2景は「くすの木」北川辰彦さんが、肖像画コンテストの後日談を朗々たるバスバリトンの美声で歌いあげる名アリア!

 

「くすの木」(北川辰彦さん)の歌はルネサンス風の小オーケストラを伴います。リュートを演奏してくださるのは第一人者の金子浩さんです!

 

 休憩時間、「男」役の根本泰彦さんはストレッチ中でしょうか。オペラハウスに響き渡る声を誇るオペラ歌手陣の中に俳優一人、というのは作曲家間宮芳生の指定。大きなトリフォニーホールに備え「男」役専用のマイクを用意し、歌手とは全く違った表現で、物語を進めていきます。

 

「ニホンザル王国」の皆さんもひと休み。田崎尚美さん(女王ザル)、原田圭さん(オトモザル)、合唱のコール・ジューンとヴォーカル・コンソート東京

 


第3景は物語の山場、スキトオリメの絵に対する女王ザルの要求はとどまることを知らず、オトモザルも沈黙するほかありません。田崎尚美さんの「女王ザル」、まさに強く美しく官能的…

 


真実を描きつくそうと一歩もひかない「スキトオリメ」大槻孝志さんの英雄的な声が輝きます。スキトオリメは「(自分の芸術的欲求を貫くことが)女王をも自分をも追い詰めることであるのに多分あまり気が付いていない」(間宮芳生の言葉)役どころなのです。

 

第4景、ついに「スキトオリメ」(大槻孝志さん)が会心の肖像画を描き上げる様子は、オーケストラを突き抜ける大槻さんの呻き声と台詞、そして「くすの木」(北川辰彦さん)の歌唱とオーケストラ主体で表現されます。

 

第5景、、女王ザルに命じられて「オトモザル」原田圭さんがサルの民衆を煽動する場面。台詞と歌唱のあいだをシームレスに行き来するような原田さんの素晴らしいシュプレヒゲザングが聴きどころ。

 


そして、煽動にのって女王ザルを盲信し「サルのカミサマ」「死んでも死なない」と歌う合唱(コール・ジューン、ヴォーカル・コンソート東京)も物語の主人公といえます。

 

右:演出・田尾下哲さん
左:舞台監督の奥平一(オーケストラ・ニッポニカ運営顧問)

 

「ソノトオリメ」山下浩司さんと、演出の田尾下哲さん。ソノトオリメはとても出番の少ない役ですがその存在はまさに物語の要、さてどんな相談をされているのでしょう?!写真奥は字幕指揮の竹之内純子さん

 


衣裳合わせ中の衣裳・萩野緑さん(衣裳は当日のお楽しみ!)

 

大編成のオーケストラでは多種多様な打楽器も大活躍。さらにパイプオルガン(ここには写っていませんが室住素子さん)が加わります!