オペラ『ニホンザル・スキトオリメ』、熱の入った歌稽古を終えられた直後のオトモザル役の原田圭さんとコレペティトゥール矢田信子さんのツーショットです!
オトモザルは女王ザルの側近。作曲家・間宮芳生によれば「オトモザルにとって女王ザルは、美しさ、気高さ、聡明さの権化であり、おのれのすべてを、命さえも女王に捧げて少しも悔いない」というイメージのキャラクター。物語の展開を担う重要な役どころです。
原田さんは、先日の歌稽古に先立ってご自身のブログ(9/26付)に、藝大時代の原田さんの師・平野忠彦さんとオペラ「ニホンザル・スキトオリメ」についての素晴らしいエピソードを書いておいでです↓
https://ameblo.jp/kei-harada/entry-12407664822.html
女王ザルの側近だけに登場場面の多いオトモザル役。特に第5景、女王ザルを神格化して結果的にサルたちを破滅的な戦いへと向かわせる場面は、迫真のシュプレヒシュティンメによる聴かせどころ。原田さんの博士号研究テーマは「声楽曲における歌と語り」だったそうです。
原田さんが博士論文のテーマである歌とシュプレヒシュティンメについて研究された作品のひとつが石井眞木「絞首台の歌」だったそうで、2002~3年頃、自由が丘の作曲家宅を訪問して交流されたとのこと!奇しくも同じ頃、オーケストラ・ニッポニカも設立に向けて石井眞木さんには計り知れないほどお世話になっていました。
原田さんが石井眞木さん邸を訪問されたのは、ちょうど眞木さんが紫綬褒章を受賞された直後だったそうで、紫綬褒章第1号受賞者で父君の舞踊家・石井漠さんの賞状と2枚が壁に並べて飾られていたそうです。その後に眞木さんも藝大に原田さんを訪ねていらして作品について教えを受け、お酒を酌み交わして交流されたことなど、懐かしそうにお話し下さいました。今回、原田さんにご出演いただけることに、幾重にもかさなるご縁を感じずにはいられません。