木島始と作曲家たち

制作の現場から

オペラ『ニホンザル・スキトオリメ』の原作は、詩人・木島始(1928-2004, 写真は1995年頃, 撮影:新井翠翹氏/写真提供:木島始ご遺族)による同名の「大人のための童話」で、オペラ台本も作者自身による書き下ろしです。詩人・児童文学者・翻訳家・大学教授(英米文学)として多数の著作がある木島始の作品は、英語やチェコ語にも翻訳されたほか、多くの音楽家にインスピレーションを与えました。間宮芳生を筆頭に、林光、三善晃、信長貴富、高橋悠治などの現代作曲家、すぎやまこういち、フォークシンガー高田渡の各氏も木島の詩に作曲しています。
昨日、オトモザル役のバリトン原田圭さんのお稽古で思いがけぬご縁の導きが明らかになった作曲家・石井眞木さん(1936-2003)も、やはり森や木にまつわる木島始の言葉の世界に触発されて「混声合唱のためのア・カペラ『もりのうた』」(1984)という作品を残しています。
http://www.ongakunotomo.co.jp/ondemand/detail.php…
木島始の40の詩とミルコ・ハナーク(スロヴァキアの画家)の40の絵による同名の絵本から選ばれた12曲による作品で、作曲家の思いが石井眞木オフィシャルサイトの作品紹介のコーナーに美しい文章でつづられており、木島始の言葉の力を伝える一文でもあります。